『のらくろ』と戦争

のらくろのいろんなポーズのイラスト テキスト

「わかりやすさばかりが優先されるのはよくない。拙速な言葉でものを話すのはやだ」などとSNSに書いた数時間後に「『のらくろ』はプロパガンダ漫画」とか書かれているXの投稿を見てしまい、悲しい気持ちに…。

なんかもう、好きなものまでこういう、拙速なわかりやすさに汚されてしまうのは、心底いやだな。 (でも、早々に識者の皆さんが修正リプをしてくれていてよかった)

のらくろのいろんなポーズのイラスト

ここは好き勝手書くサイトなので唐突にのらくろの話をしますが、『のらくろ』という作品と戦争の関係を真面目に紐解くのは、ちょっと見ただけではだいぶ難しいと思います。
断片的に見る印象と、田河水泡先生の仕事全体を通して見えるものがすごく違う。 戦前・戦中・戦後であまりにも状況が変わっているから、先生の言っていることも必ずしも一貫性があるわけではないし、政府に配慮したような物言いも多く、戦後しばらく経ってからのエッセイやインタビューなどを読んで、私は初めて実像が見えた感じがありました。

でも、そうして時代に翻弄された作家の変遷を見ていると「言うことを選ばないといけない」という当時のリアルな温度を感じます。子ども相手の作品だっただけに、自国の子どもの未来を支える側の作家としてどうあるか、という葛藤も常にあったんじゃないでしょうか。

最近になって、戦中にも新聞に漫画を連載していたことがわかったので、のらくろがどの程度、戦意高揚に利用されていたかというのは、これから見方が変わっていくような気がしますが、個人的には、戦中に新聞漫画を書いていたことをあえて隠していたところに、なにか田河先生の葛藤を見るような気がします。

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