ちょっと時間があいてしまいましたが…。先日、「癒しとしての自己表現展」に行ってきました。



あえて”障害がある人が作るアート”と冒頭に書いたのは、それが他の企画と比べて、企画側が見せたい像を提示するものになりがちだからです。
ひたむきな作品、心がピュアだから作れる、とか。
ただ、個人的には、そういった切り口の企画は大体「なるほどー」で終わってしまうことが多いです。”見せたい像”が最初に設定されているから、発見や驚きより、答え合わせみたいになってしまうのかな。あたたかいとか純粋だとかいうメッセージを知って「ああ、なるほどその通りですね」と思って終わってしまうような。
そういう点で『癒しとしての自己表現展』の作品は作家自身の強烈な意志や魂が、ありのままその場に鎮座していて、独特の気高さを感じます。時には、見ている側が緊張するほどに。
本来、美術展とはそういうものだと思いますが、障害のある作家のものとなると、ピュアさや受け取りやすさが、作品の個性より前に出されてしまうのはなんでなんだろうね。
その、口当たりよく演出される(したくなってしまう?)あたりに、健常者目線で作られた壁を感じます。

心にふれる、ふるえる。(「自己表現展」のこと)|Tokin『コミックルポ 解離性障害、なんです』発売中
ちょっと時間があいてしまいましたが…。先日、「癒しとしての自己表現展」に行ってきました。 あえて"障害がある人が作るアート"と冒頭に書いたのは、それが他の企画と比べて、企画側が見せたい像を提示するものになりがちだからです。 ひたむきな作品、...
『癒しとしての自己表現展』、平川病院造形教室については、こちらに詳細が書かれています。
特集展示 安彦講平 « 心のアート展
近年では「芸術療法」や「アートセラピー」も普及し、治療やリハビリテーションのプログラムとして採り入れている病院も珍しくない。
しかし、安彦が活動をはじめた当時は、こうした言葉さえ一般的ではなく、医療者たちも「そもそも精神病患者にまともな絵など描けるのか」「病状を悪化させることもあり得る」「ただのお遊びではないか」と話し、治療や病棟管理の妨げになることを懸念して、安彦の活動に対しては概して冷淡な態度だった。
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