ひきこもりをテーマにした舞台「HIKU」①

引きこもりの当事者と、フランスのアーティストと、引きこもり支援団体「ニュースタート」の協働で作られたパフォーマンス作品です。 (会場の様子のイラスト)オープン後、まずは自由に映像作品を見てまわります。暗闇の中に3つの大きなスクリーンがあり、観客は自由な順番やペースでそれらの映像を見ます。 Report


先日、演劇?パフォーマンス演劇…?の作品「HIKU」を見に、日本科学未来館へ行ってきました。
フランスのアーティスト、アンヌ゠ソフィ・テュリオンさん、エリック・ミン・クォン・カスタンさん、そして、ひきこもりの当事者の方、ひきこもり支援NPO「ニュースタート事務局」による協働作品です。

アンヌ゠ソフィ・テュリオン(GRANDEUR NATURE)&エリック・ミン・クォン・カスタン(Shōnen)「HIKU」 | シアターコモンズ'26
ともに身体と共同体の関係について実験的な手法で問い続けるフランス人アーティスト、アンヌ゠ソフィ・テュリオンとエリック・ミン・クォン・カスタン。2020年ヴィラ九条山レジデントだった二人は、コロナ禍に2年間かけて日本での長期リサーチとレジデン...
引きこもりの当事者と、フランスのアーティストと、引きこもり支援団体「ニュースタート」の協働で作られたパフォーマンス作品です。 (会場の様子のイラスト)オープン後、まずは自由に映像作品を見てまわります。暗闇の中に3つの大きなスクリーンがあり、観客は自由な順番やペースでそれらの映像を見ます。
冒頭の映像が、ひきこもりの方を自宅を訪ねたものだったので、正直なところ「うわー、当事者を見せ物にする系の作品か」と思いましたが、 途中から、ロボットにて当事者さんが登場。映像作品に出ている方で、近くから遠隔で操作しています。
それまで、映像を観る側出会った観客は、ここで、当事者の登場により「見られる側」になります。双方を見つめ合う、というのが正しいかもしません。 ロボットで登場する人たちと観客が、対話をすることで、そこには何か対等な空気が生まれる。

遠隔ながら、場や構成を理解して現れる当事者と、生身ながら慣れない会場の中にいる観客。見る側と見られる側が逆転するような、お互いが非日常であるからこそ対等になるような、不思議な感覚がありました。

当事者の語りの映像があり、遠隔の当事者と観客が互いに問いかける対話の時間もあり、話すということが大事な意味をもつ作品でしたが、その一方で、言葉にならないものの価値がグッと迫ってくる作品でした。

話してはいるけど、言葉では説明出来ない感覚が、劇場という空間の中に有機的に生まれるのは、パフォーマンス作品ならでは。作品を鑑賞する/される側のみにとどまった作品ではこの効果はなかなか生まれないでしょう。

言葉で話すことと、言葉にはしないことのバランスというのは、ひきこもりについて伝えることと、相性が良いのかもしれません。一見クローズドでありながら、内側では言葉と、言葉にならないものが強く渦巻いている。明確に説明できることだけが”理解”ではないんですよね。

映像に出ていたのは、実際にひきこもりのひとたち手動で行ったという「引きこもりデモ」の様子、各々が描いたスローガンの旗を持って夜の街を練り歩きます。 その旗に書いてあった「生きていることがデモ」という言葉が印象的だった。

旗を掲げてデモを起こしながらも、ただ生きていることが抵抗運動であるという言い方に、何か強烈な意志を感じました。

この作品は、演劇空間によって“公共”の定義を拓くという趣旨で行われているシアターコモンズというプログラムのうちの1作品でした。
というわけで、作品自体に対して少し批判をするとすれば、字幕や手話通訳がなかったのが惜しかった。趣旨が明確なだけに、逆説的に排除が際立ってしまっていて残念。次回からは改善されるといいな。

この後、会場では、これを制作したフランスのアーティストを招いたトークイベントがあり、それを聞いて思ったこととか…を、書こうと思ったのですがすごい長くなったので次回の記事に分けます。

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