

国立の博物館や美術館の運営について、文化庁は来年度から5年間の次期中期目標で、収支均衡を目指した数値目標を定めた。未達成の場合、閉館も含めた再編を検討する。
(ただ「閉館」とはいっていないという文化庁のコメント記事もあったので真意の程はわからないけど)
国が貧しくなるってこういうことなのか、と感じさせられた。
しかし、こう言った話が出てくるとしばしば、文化芸術施設に漫画やアニメなどのサブカルチャーを(収益が取れそうだからといって)使わないで、という声が出てくる。確かにそればっかりだったらどうかとは思うけど、私は、そういったサブカルチャーを美術館や博物館でやっても全然良いと思う。
経済効果とは別な、歴史や文化としての視点を持ってくれるなら、だ。
日本の漫画やアニメが素晴らしいということに異論はない。美術や芸術になっていると思うし、これからそういう作品だってどんどん生まれてくるだろう。ただ、お上がサブカルチャーを推す流れを私は好意的に捉えられない。経済効果を重視した視点で利用してるのが見え見えだからだ。
個人的に思い出してしまうのは、昨年行ったハローキティ50周年展@東京国立博物館である。
国民的キャラクターの50周年という節目の会場が、トーハク!それならば、博物資料的な展示だろうと私はすっかり舞い上がって「さすが切り口変えてきたね〜!トーハクさん、何を見せてくれますか?!」と大きく期待して、会場へ向かった。
ところが実際に開催されていたのは、フォトスポットと懐かしグッズ、キティちゃんの歴史をたどるパネル展で、そこに国立の博物館でやる意味があるようには思えなかった。あるとすれば「歴史的な文化施設で開催するなんて素敵!」程度のものだろう。百貨店の催事や、規模が必要なら森ミュージアムでも良かったんじゃないだろうかと思える内容だった。
サンリオがトーハクに場所借りをしたんだなとしか思えない内容に、ひどくがっかりして会場を後にしたのを覚えている。
企画へのがっかりもあったけれど、この催しより前に、トーハクがクラウドファンディングで資料保護を訴えていたことが大きかった。文化的な意味より経済効果を優先するようになっているのだという姿勢に決定打を与えられた感じがした。
国立の文化施設を民間の営利企業に”場所貸し”する。それだけこの国には、文化芸術にお金を出さない国になったのだなと思わされた。
漫画やアニメやキャラを「これは文化だ」とか叫びつつ、文化、芸術、博物施設への拠出は渋る。文化に対するリスペクトがあるならこんなちぐはぐさは生じないだろう。お金にならないならフェイドアウトさせるし、なるなら盛り上げる。サブカルも美術も好きな、日本に住む日本人として、全体的にしんどい。



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