日本のアニメと戦争

2025.10.29東京ミッドタウン日比谷にて、日本のアニメが描いてきた「戦争」についてのイベントに行った話。 Report

先日「『桃太郎 海の神兵』から『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』まで 国産アニメーションは戦争をいかに描いたか 」…というイベントに行ってきました。
(下記、色々書いていますが、発言の詳細はだいぶ端折っていて正確な発言ではないのでそのへんを、アレしてご覧ください)

2025.10.29東京ミッドタウン日比谷にて、日本のアニメが描いてきた「戦争」についてのイベントに行った話。
1945年公開の「桃太郎 海の神兵」と、今冬公開となる「ペリリュー 楽園のゲルニカ」を主な題材として語るシンポジウムです。
「ペリリュー」の原作者、武田一義先生が、史実をフィクションで描くことについて
「フィクションにするからこそ伝えられるリアルがある。」「辛い話を受け取ってもらうには、可愛らしいキャラにするのが良いと思った」というようなお話をしていたのが印象的でした。きちんと受け取ってもらうためには、リアルならいいってもんじゃないよね。
戦争を描いた日本のアニメは、作り手の世代によって作品の傾向が分かれる…という話も興味深かったです。前線に行った世代、幼少期に戦争を体験した世代、その作品を見た世代…など。
私は受け手としてざっくり「戦争を描いた作品」としてしかみていなかったので勉強になったな。
「桃太郎 海の神兵」は、見るたびに「キャラはかわいいけど…」「でも戦闘しているのは怖いけど…」「とはいえ素晴らしいアニメーションだな」と、複雑な気持ちになります。桃太郎の手をとって「たいへんだったね、桃太郎」と言ってあげたい。でも桃太郎からしたら「誰?」って感じだよね。ふふふ…。

史実をフィクションやドキュメンタリーとして作品にする事への、作家側、研究者、観客としての目線が交差するトークはとても興味深かったです。

「桃太郎〜」から80年、様々な作家が、戦中の苦境の中、また、向き合うことも難しい中で、それでも反戦のメッセージを込めて創作をしてきたんだと思うと、漫画家として「私もしっかりしなければ…」と背筋が伸びる思いでした。

ただ、昨今の政治の進み行きを見ると、背筋が“伸びる”だけではなく“凍る”と感じてしまうのも事実。
それでも、自身の気持ちや手を凍らせる事なく、なんとかかんとか、抗って、もの作りを続けようと思います。


全編がこちらにアップされていました。
興味のある方はぜひ!

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